CAGE CART TRACKING E&D コード
電子タグも電池も使いません。既存の防犯カメラが真下向きなら、そのまま使えます。
カゴ車の上枠に巻いたカラーテープ「E&D コード」を天井カメラで読み取り、どのカゴ車がどこにあるかを常時把握します。1 台あたりの追加費用はテープ代の数十円。合成画像 1,440 面と実写で検証し、誤った ID を出した例は 0 件でした。滞留・紛失のアラートや毎朝の棚卸の自動化まで、業務システムごと受託で構築します。
既存カメラの映像を数フレーム、天井高、上枠パイプの太さ。この 3 点で成立するかを先にお答えします。


WHY こんな困りごとに
1 台数万円の物流機器なのに、所在は人の記憶と朝の目視に頼っている現場が多くあります。年に 1 割前後が消えると言われる紛失も、元をたどれば「どこにあったか分からない」ことから始まります。
ゲート通過の記録はあっても、「いま倉庫のどこにあるか」は誰かが歩いて探しています。急ぎの出荷で必要な台数が揃わず、探す時間が積み上がります。
始業前に区画ごとに数えて台帳と突き合わせる作業が、担当者の固定業務になっています。数え間違いや記入漏れも起きます。
納品先や共同配送で入れ替わり、自社のものか分からないカゴ車が増えていきます。返却の督促も、根拠がなければ言い出せません。
RFID や電池式のビーコンは、台数分のタグと読取機、電池交換が必要です。金属のカゴ車では読取率も落ちます。「そこまでの投資はできない」で止まっている現場が多い。
HOW IT WORKS 仕組み
カゴ車側に電子部品を一切持たせない方式です。ナンバープレートの読取や AI-OCR で培った画像認識を、倉庫の天井から下を見る形に応用しました。
カゴ車の一番上のパイプに、赤・黒・緑のテープを決まった並びで巻きます。これが「E&D コード」です。4 つの側面すべてに同じ内容を巻くので、どの面が見えても ID が確定します。貼るのはテープだけ、1 台数十円。
真下向きの魚眼カメラか通常の広角カメラで区画を見下ろします。既存の防犯カメラが真下向きなら流用できます。映像はお客様の社内サーバに送るだけで、外部には出しません。
テープの赤と緑を見つけ、画像の座標を一度「床の上の実座標」に戻してからビットを読みます。魚眼の歪みに影響されず、カメラの機種が変わっても符号は変わりません。誤り検出(CRC)を通った ID だけを採用します。
どの ID がどこにあるかを平面図と一覧にし、動いていないカゴ車や、出て行ったのに戻らないカゴ車を知らせます。既存の在庫システム・WMS には API や CSV で渡します。
VERIFIED 検証結果
カゴ車 360 台を並べた倉庫を合成画像で作り、天井 5m の魚眼カメラから見た像に、レンズのぼけ・周辺減光・ノイズ・圧縮・赤や緑の積荷(偽のマーカー)を加えて読み取りました。乱数の異なる 5 通りの平均です。実写画像でも 18 台中 18 台を識別しています。
| カメラからの距離 | 〜5m | 5〜6m | 6〜7m | 7〜8m |
|---|---|---|---|---|
| 6MP 魚眼(2560px)・63 台符号 | 100% | 93% | 73% | 42% |
| 6MP 魚眼・255 台符号 | 100% | 88% | 62% | 20% |
| 12MP 魚眼(2944px)・63 台符号 | 100% | 97% | 85% | 68% |
| 12MP 魚眼・255 台符号 | 100% | 96% | 80% | 45% |
距離帯ごとに、カゴ車の 4 面のうち 1 面でも読めた割合。255 台まで識別できる符号にしても、12MP 機なら実用範囲(半径 6m)は変わりません。1,000㎡あたりのカメラ台数は 12MP で 12 台前後、天井が 7m を超える倉庫では通常レンズのカメラに切り替えて 4〜5 台まで減らせます。
正直に書いておきます。合成画像による評価で、積荷が上枠より高く積まれたときの遮蔽、テープの汚れや退色は再現していません。実際の現場では実用範囲が手前になる前提で設計し、PoC で実測してから台数を決めます。誤った ID を「正しい」と判定しないよう、同じ ID を 2 面または連続 2 フレームで確認してから確定する規則を入れます。
COMPARISON 他の方式と
既にある方式にはそれぞれ得意な場面があります。E&D コードが向くのは「区画内のどこにあるかを、安く、常時知りたい」場合です。
| 方式 | カゴ車側の装備 | 1 台あたりの追加費用 | 分かること | 電池・保守 | 弱点 |
|---|---|---|---|---|---|
| E&D コード(テープ+天井カメラ) | テープのみ | 数十円 | 区画内の位置と ID を常時(誤差 12cm 程度) | なし(テープの汚れ・退色のみ) | カメラから上枠が見える必要。積荷のはみ出し |
| UHF RFID | RFID タグ | 100〜300 円 + 読取機・ゲート | ゲート通過時の入出記録 | なし | 金属で読取率が落ちる。区画内の位置は分からない |
| BLE ビーコン | 電池入りビーコン | 数千円 + 受信機 | 受信機のあるエリア単位 | 電池交換(1〜3 年) | エリア粒度。台数分の電池管理 |
| GPS / LPWA 端末 | 通信端末 | 数千〜1 万円 + 月額通信費 | 屋外の粗い位置 | 電池・通信契約 | 屋内で使えない。台数分の月額 |
| 2D マーカー(QR 型) | 印刷マーカー | 数十円 | 常時 | なし | 細いパイプに貼る面積がない。魚眼の周辺で潰れる |
| マーカー無しの画像認識 | なし | 0 円 | 台数と位置(個体は不明) | なし | 見た目が同じカゴ車の個体識別ができない |
色の帯で符号を作る発想自体は新しいものではありません。E&D コードの独自性は、細く長い上枠パイプに合わせて「1 次元・4 面同一・誤り検出付き」に設計し、魚眼の歪みを実座標で解いて読む一連の作りにあります。方式の権利化についてもご相談に応じます。
FEATURES できること
位置と ID の履歴がたまるので、その上に載せる機能は小さな追加で済みます。最初から全部作らず、困りごとの順に足していきます。
区画ごとに、どの ID が何台あるかを常時表示。探し歩く時間がなくなります。
定時に所在一覧を作り、台帳と突き合わせて差分だけを出します。数える作業がなくなります。
一定時間動いていないカゴ車を通知。回転していない在庫の発見に使えます。
出荷エリアを通ったのに戻らない個体を抽出。搬出口のカメラと組み合わせて、いつ出たかを記録します。
コードの無いカゴ車を「未登録」として表示。返却の根拠になります。
エリアごとの滞在時間と移動回数を集計。レイアウト見直しの材料にします。
位置と ID を既存システムへ API や CSV で渡します。画面への自動入力も可能です。
符号長と貼付位置を変えれば、ほかの物流機器にも同じ仕組みで広げられます。
映像もデータも社内のサーバだけで処理。外部のクラウドに出さない構成にできます。
PROCESS 進め方
既存の技術の応用なので、ゼロからの研究開発にはなりません。段階ごとに見通しを確認しながら進めます。
既存カメラの映像を数フレーム、天井高、上枠パイプの太さをいただき、この方式が成立するかをお答えします。カメラが斜め向きの場合は、その時点でお伝えします。
カゴ車の寸法・機種の混在・積荷の高さ・映像の取得手段を確認し、テープの並びとカメラ配置を決めます。
実際のカゴ車にテープを巻き、1 区画で識別率と位置精度を測ります。ここで「どこまで読めるか」の実数が出ます。
地図・一覧・アラート・既存システム連携を作り、運用に入ります。拠点を増やすときは同じ符号と手順で広げます。
カゴ車側の費用はテープ代だけです。カメラは既存流用が最も安く、新設なら 1,000㎡あたり 12 台前後(12MP 魚眼)が目安。ソフトウェアは PoC を小さく切り、成立を確認してから本番の見積を出します。準委任・段階契約を基本とし、いただいた映像と数字で判断できる状態を作ります。
動くシステムに加えて、符号の定義、テープの巻き方の手順、カメラ配置の設計書をお渡しします。ブラックボックスにしないので、拠点を増やすときにお客様側で貼付・設置を進められます。
BEFORE WE START 最初に確認すること
向かない現場もあります。それを最初に言うのが、この方式で一番大事な工程だと考えています。
WHO WE ARE 弊社について
車両写真のナンバープレート読取・マスキング、帳票の AI-OCR を製品として提供しています。E&D コードはその技術を天井カメラに向けたものです。
「そのままでは読めない対象」を、符号の付け方・撮り方・カメラ配置から設計します。自社製ハードウェアの計測システムも作ってきました。
中古車流通の業務システムを 1999 年から構築・運用。読み取った位置を在庫・出荷の業務に繋ぐところまで引き受けます。SI・受託開発のページ →
CONTACT ご相談
既存カメラの映像と天井高、上枠パイプの太さが分かれば、この方式が成立するかを無償でお答えします。「カゴ車以外の物流機器で」「屋外の車両で」というご相談も、同じ考え方で検討します。